BBC, 20 May 2024
ウィキリークスの創設者ジュリアン・アサンジは、米国への身柄引き渡しに対して新たな上訴を行うことができる、と高等法院が判決を下した。
アサンジ氏は、軍事機密を漏洩した罪で米国に移送され、裁判を受けるよう命じられたが、これに対する控訴が認められた。
この決定により、アサンジ氏は、裁判がどのように行なわれるか、また言論の自由が侵害されるかどうかについて、米国の保証に異議を唱えることができるようになる。
52歳のアサンジ氏の弁護士は、この訴訟における最新の判決の後、法廷で抱き合った。
ウィキリークスは、15年近く前に米国の戦争犯罪疑惑に関する極秘文書を公開した。
米国は、イラク戦争とアフガニスタン戦争に関する情報を公開したウィキリークス・ファイルが人命を危険にさらしたと主張している。
月曜の朝、2人の上級判事が短い判決を下し、米国への身柄引き渡しを許可した先の命令に対する上訴を許可した。彼らは、アサンジ氏には英国で全面的な上訴が必要であると裁定した。
アサンジ氏は、自身のウィキリークス・ウェブサイトが2010年と2011年に米国の機密文書を公開した後、10年以上にわたって英国からの引き渡しに抵抗してきた。
現在ベルマーシュ刑務所に収監されているアサンジ氏は、今後数カ月かけて控訴の準備を進めることになる。
判決に先立ち、裁判所の外には数百人の人々が集まり、アサンジ氏の支持者たちは判決のニュースが伝わると歓声を上げた。
アサンジ氏は当面、英国に留まることになる。
もし裁判所が米国に有利な判決を下していれば、アサンジ氏は英国でのすべての法的手段を使い果たしたことになる。
月曜日、アサンジ氏の妻ステラ・アサンジはBBCの取材に対し、裁判官がどのような判決を下そうとも、「ジュリアンが自由になるまで戦い続ける」と語った。
‘転換点’
アサンジ氏は判決後、王立司法裁判所の外で演説し、判決を歓迎するとともに、これを「転換点」とした。
彼女は米国に対し、「14年間も続いてきたジャーナリストや報道機関、一般市民に対するこの恥ずべき攻撃を放棄する」よう求めた。
米司法省は、この情報漏洩を「米国史上最大級の機密情報漏洩」と表現した。
流出したファイルは、アフガニスタン戦争中に米軍が報告されていない事件で民間人を殺害したことを示唆していた。
米国当局は、アサンジ氏が文書に含まれる情報工作員の名前を修正しなかったことで、人命が危険にさらされたとしている。また、アサンジ氏が戦争犯罪を暴露しているとする情報公開のいずれに関しても、同氏は訴追されていないと主張している。
アサンジ氏の弁護団は、この訴訟は政治的動機による「国家報復」だと主張している。
「彼は文字通り戦争犯罪を暴露した」とアサンジ氏は月曜日のBBCラジオ4のトゥデイ・プログラムで語った。
「この事件は、公開性と説明責任に対する、あの国の復讐なのです。」
当時のプリティ・パテル内務大臣は2022年にアサンジ氏の身柄引き渡し命令に署名したが、アサンジ氏は2024年2月に高等法院に戻って上訴許可を求めた。
3月の審問で、米国政府はアサンジ氏が米国で死刑にならないことを保証し、その他2つの理由で追加の時間を与えられた:
- アサンジ氏は、言論の自由を保護する米国憲法修正第1条に頼ることができる
- オーストラリア国籍が不利にならないこと
先月、裁判官は米国が裁判所に保証を提供したことを確認した。
アサンジ氏と彼の弁護団は、彼が他の犯罪で起訴されたとしても死刑にはならないという保証を受け入れた。
これに先立ち月曜日、米国政府を代表するジェームズ・ルイスKCは、アサンジ氏が引き渡された場合、憲法修正第1条の擁護を含む「デュー・プロセス裁判の権利のすべてを享受する権利がある」ことに「疑問の余地はない」と裁判所に提出した書面で述べた。
これとは別に先月、ジョー・バイデン米大統領は、アサンジ氏の起訴を取り下げて母国に戻すようオーストラリアから要請があったことを検討していると述べた。
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