The Telegraph, 26 February 2023
習近平主席は、モスクワの北京への依存と西側諸国の北京への恐怖を高めるために、軍事的支援はリスクに見合うと判断したのかもしれない。
中国がロシアへの武装を検討しているという米国の評価に対して、CIA長官が「確信」という言葉を選んだことは、ウクライナと西側諸国全体に警鐘を鳴らすことになる。
英国の情報機関や法執行機関のセキュリティ専門家は、自分たちが伝える情報の信頼度を表現するために、ホワイトホールの「確率の基準」を使っている。そして、それに数字も添えている。
情報アナリストは、何かが起こる可能性が5%未満である場合、その可能性は低いとしている。
25〜35%の確率で起こりそうもないと判断される。現実的な可能性は40〜50パーセント、55〜75パーセントは可能性が高い、あるいはありそうだという。その後、可能性が高い(80~90%)となり、ほぼ確実(95%以上)となる。
ウィリアム・バーンズが使った「confident」という言葉は、ここでは「可能性」というより「確率」に近いと評価されるでしょう。55〜75パーセントの確率で起こりうるという「可能性(probable)」の範疇にきちんと収まるだろう。
バーンズ氏の警告が憂慮すべきものである第二の理由は、世界のパワーバランスに関する北京の計算について述べていることである。
西側諸国は今週、中国がロシアに殺傷力のある援助を与えている証拠はないと主張したが、北京がその方針を変更するのは大きな一歩となるだろう。
また、中国への経済的依存度が高いとされる欧米がどこまで対応できるかも問われる。
中国の習近平国家主席は、ウクライナの国際的支持者が行動、特に経済制裁についてコンセンサスを得るまでにどれほどの時間がかかったかに注目したことだろう。
西側諸国、特にヨーロッパが中国に対して同じように団結することはないだろうと計算しているのだろう。あるいは、そのような結束があったとしても、自国はどのような制裁にも耐えうるだけの強さを備えていると考えているのかもしれない。
中国の軍事的懸念
もう一つ、直接的な軍事的懸念がある。
北京は、一国の主権は侵すことができないと主張し、他国の統治に干渉することは決してないと言っている。
多くの安全保障関係者は、その立場は笑止千万であり、国際的な注目 - そしてアメリカ海軍の太平洋艦隊 - を台湾から遠ざけるための煙幕としてのみ提起されていると考えている。
とはいえ、中国はこの政策が守られることを期待しており、ウクライナに関して何らかの変更を加えれば、台湾に関する今後の行動において不干渉という主張の威力が弱まることを知っている。
つまり、中国が世界のスノードームを沈静化させ、ヨーロッパに平和を取り戻すことを望んでいるように、ウクライナの国境線の尊重とは無関係に北京の経済にとって有利な平和とはいえ、ロシアを武装化する決定は広範囲に影響を及ぼすことを知っているのである。
習近平主席は、自国によるロシアへの軍事支援が外交的・経済的に大きな打撃を与えることを予期していたかもしれないが、モスクワの北京への依存度と西側諸国の恐怖心を高めるには、対処可能であり、リスクを負う価値があると判断したのであろう。
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晴れた日のロンドンの貯水池でござるよ。
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